第五回月刊ローカルデザインネットワーク放送後記「寺田健悟」


こんにちは!

第五回月刊ローカルデザインネットワークの放送後期を担当します、正会員の寺田です。

よろしくお願いいたします!






当日は、【建築から始まった旅は長かった。続く。】というタイトルでお話をさせていただきました。

実はこの最後の「続く。」という部分が一番重要でして、一応体裁はレクチャーのように一人しゃべりがメインだったのですが、決して完成した制作物ではなく、あくまでも中間報告でのお話というのが主目的でした。

その点では、当日の参加者の皆さんと一緒に改めて考えをアップデートできたようなところがあったので、個人的にもとても有意義な時間でした。皆様、ありがとうございました! 今日はその一部を、放送後記としてお話したいと思います。 前半は、私が建築学科を志した理由から卒業後、信託銀行に入社した経緯についてお話ししました。



高校を卒業する時点では、なんとなく家を建てる仕事がしたいなと思って建築学科を志望していました。

ところがまず衝撃をくらったのが3.11。ちょうど入学の瞬間で、今年の大学生のようにまるまる一か月白紙になりました。あのときは流れに任せるだけだったのですが、今思えば特殊な環境だったなと思います。そもそもこの時点から通常の建築のキャリアから外れていたような気もします。

そして、仙台でせんだいデザインリーグという建築学生の甲子園という企画に出会い、3年生までは実行委員として活動しました。この関係者は割とデザイン意匠系の多かったのですが、卒業前の一年間はいわゆる建築材料研究室に入りました。理由はいろいろあるのですが、材料から見る建築ってまた見え方が違うんです。特にコンクリートはめちゃくちゃ身近なのに複雑。あとは縁あって全国建築学生ワークショップの企画にもなぜか携わりました。今思えば本当にいろいろな経験をさせていただいた学生生活だったなと思います。





やってきたことを羅列するとあまり一貫性がないように感じるかもしれませんが、だからこそいろんな観点から建築ってなんだろう、良い建築ってなんだろう、とはよく思っていました。少なくとも、「デザインだけの問題じゃないよな」と思っていたのは鮮明に覚えています。というか、それはせんだいという大会を見て、他の人もたくさんチャレンジしている。別に自分じゃなくても良い。じゃあ今必要なことってなんだろう、というときに、"お金の重要性"というところに興味が湧いたんです。

せんだいを運営したり、コンクリートを打設したりするときに、結局お金の問題がけっこうネックになる。やりたいこと、つくりたい建築があってもお金がなければできない。逆に、お金が潤沢にあればできる。割といろいろなことに共通している課題がお金だったんです。でも、建築学科ではお金の勉強はしない。デザインして、構造計算したら「OO億円かかるんですよ」みたいな結果論で終わり。それで良いのか、他にもやり方があるんじゃないかと漠然と思ったんです。


じゃあ良い建築をつくるためにも、お金の現場に行かねば!ということで信託銀行の門を叩きました。考えてみれば、一生懸命製図して徹夜しても形にならなかったりするのに対して、20億円あれば空港がつくれちゃうなんてこともある。極論ですが、じゃあデザインって何?良い建築って何。。?という気がしますよね。

建築家は職人気質で良い面もありますが、それって現代っ子にはカッコ良く見えない時代ですよね、という気もするんです。稼げてオシャレでインスタ映えする方が良い。少なくとも、僕らが製図室でわーわー言ってる建築のディテールよりも、世間はLDKでいくらという方が興味があるんです。その意識に建築側の人たちは割と盲目なんじゃないかなと思ったりもします。そんなところも含めて勉強するために、銀行員になってみました。





そうしたらすごくいろいろな出会いがあって、そもそも信託って仕組みって何?とか、経済ってどうなってるの?とか、ただ儲けるって話だけじゃない資産の話とかをするようになって、建築も大きな資産であることに気付いたんです。個人でも家は大きな資産ですし、社会としても建築は超重要な資産。デザインやら構造やらって話も大事ですが、資産としてみたときの建築、っていう視点ってなんか作り手の建築家には薄い気がしたんです。

でも,”資産としての建築”という考え方で見てみると、実はさらに建築の可能性は広がる。建てるだけじゃなく、どう活用していくか。これはまさに資産としての建築の考え方ですよね。だからお金の考え方も建築には重要なんだなと思います。




後半は、主に地域おこし協力隊から現在にかかることをお話しました。


いろいろなことに関わらせてもらったのですが、例えばどんなことをやっていたかというと、松崎町で18年間開催されている田んぼをつかった花畑の実行委員をやったり、地元の方と協力して地元の特産品である桜葉をつかった料理のメニュー開発と試食会を始めたり、地元の農家さんと一緒に稲作塾を通年で企画したり、伊豆地域の地域おこし協力隊を集めて情報交換会を実施したりしました。

こういった企画運営したものを写真や映像に記録して、情報発信もしました。もし良かったら、松崎町地域おこし協力隊のFacebookページに詳細がアップされておりますので、お手すきの際にご覧ください。





そもそも地域おこし協力隊ってなんなの?というところざっくり振り返りますと、要は、【地域おこし協力隊は、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度】となります。ただ、地域力の維持・強化を図っていくって何??というところが明確にはわからないので、私の場合はこんな風にいろいろやってきた、という感じです。 そして、さらに別の隊員の方を見てみれば、実にいろいろな活動があることがわかります。私は伊豆エリアの隊員関係者を17名、それ以外にも企画や研修で全国の地域おこし協力隊にお会いしてお話したので、本当に多種多様であることを実感しました。 じゃあ地域おこし協力隊という制度を使って、私が何をしたのか。 正直言うと、特に何もしていません。エラそうに言えることは何もないんです。 さきほどご紹介した活動でも、主体はほぼ私ではありません。花の種を蒔いたこともないし、料理もできないし、農家でもないし、地域おこし協力隊という制度をつくったわけでもない。ただその現場にいたぐらいです。 ただ、強いていうなら私の役割は、【やるだけやってみません?と言う役割】でした。この部分については、他には負けていないかなと思っています。


どの事業も、最初はみんな後ろ向きでした。何をやるのか、何から始めるのか、本当にうまくいくのか。不安やリスクが多くて、やるのかやらないのかモジモジ。。みたいな感じでした。なので、私としては、「やるだけやってみません?」を強く推しました。そうすると、けっこう面白いことが起きたんです。









結果的には資金調達に成功したり、おいしいものができたり、ジオパークとのつながりができたり、実はこういう場が必要なんだとわかったり、多くのことがやってみて初めて気づくことばかりだったんですよね。さらには、どんどん波及効果も起きてきて、自分たちが想定していなかったような流れもできていきました。先ほどの写真だけ見ると、最初からうまくいっていたようにも思えるかもしれませんが、そんなことは全くなくて、気づいたらそんな風になっていた、という感じなんです。だから、【やるだけやってみません?と言う役割】も地域おこし協力隊としては重要なんじゃないかなと思っています。是非皆さんもやるだけやってみてください!


ちなみに、もっと直近の活動についてお話しますと、地域おこし協力隊の任期が終わった4月以降は、出身地である富士市にUターンをしサラリーマンとして働いています。こうした活動をしていること、そしてこれからも続けていきたいことを理解してくださる企業さんにたまたまご縁がありまして、平日は普通に業務をしながら、業務時間外や休日は伊豆に通う、そんな生活を実験してみたいと思っています。





都内からであれば、三島駅まで来ていただければ車で往復送迎いたします! 是非伊豆に通う生活を一緒に実践してみませんか??



寺田

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静岡県東伊豆町に生まれたシェアキッチンスタジオ「ダイロクキッチン」の運用を軸に「都市とローカルを結ぶことで暮らしたいまちと暮らす社会」をヴィジョンに建築設計を主な手法にまちづくり活動をしています。

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