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第六回月刊ローカルデザインネットワーク放送後記「菊地純平」



こんにちは!

ローカルデザインネットワークの菊地です。


本業は、オープン・エーという設計事務所に所属し、公共R不動産というチームで、公共空間のプロデュース/コンサルティング、メディアなんかをやっています。

今回は、「公共とまちづくり -公共空間をオープンにしよう-」というテーマでお話させていただきました!




私は、大学時代、建築の意匠設計を学んでいましたが、あるときいわゆる”設計”ではなく、その前提条件となる”設計条件”というものに関心を持つようになりました。設計者に条件が降りてくるその前の、クライアント/発注者の意図や考え方が、空間や風景に及ぼす影響が大きいなぁとぼんやり思い、卒業後はそのあたりにまつわる分野にいこうと、”公共”ということをテーマに考えています。


ざっくりやっていることをダイジェスト・・



公共空間/公共不動産を活用する


公園、廃校、団地、役所、、いわゆる自治体が所有している建物や土地などの公共不動産。

これまで空き家活用とかに急激に注目が集まっていましたが、実は行政が持っている不動産も”空き施設”になりはじめています。

なかなか行政が管理しているのでお堅いイメージがありますが、全国では公共不動産をかっこよくリノベーションして民間事業者が運営しているという事例がどんどん増えています。


こちらは弊社で設計・運営している沼津市にある泊まれる公園「INN THE PARK」。もともと市が所有していた少年自然の家を、宿泊施設にリノベーションしました。

この施設ができたことで、日本全国・海外からたくさんの方が訪れ、地元の方が日常的に憩う場所になり、ここで働きたい!と周辺地域の雇用も生み出しています。






公共不動産も流通する時代へ


そんな風に、公共不動産を民間企業が活用することで、行政っぽい誰でもどうぞな場所から、利用者目線のハイクオリティなかっこいい場所がもっとたくさん生まれたらいいのに!ということで、公共不動産を流通される仕組みとして2つのことをしています。


一つは、「公共空間逆プロポーザル」というイベント。

これまでは、行政が公募というプロセスでこの建物/土地つかいませんか〜と募集していたのですが、それでは行政主導すぎて民間が好きなことをできない。

だったら、逆に、民間企業からこんなことやらせてくれ!とプレゼンテーションする機会があってもよいのではないか!?という、往年のスター誕生のような企画です。

過去4回、今をときめくトップランナーな民間企業の方々に参加してもらい、自治体と企業のマッチングもいろいろ生まれてきてすごい楽しいイベントです。

今後も毎年やっていくと思うので、機会があればぜひご参加ください!




もう一つは、「公共不動産データベース」。

これは、公共不動産も民間不動産サイトのように、エリアや条件から検索できたり、写真をばばばっとみたり、位置情報がぱっとわかったらいいよね、ということで開発したサービスです。

(これまでは、それぞれの自治体HPで掲載されているのみの、極めてわかりずらいところにしか情報がなかったのです・・)


こちらも、ぜひちらりと覗いてみてください。





自分なりに公共空間を楽しむ!


次の時代の潮流としてもっともっとアップデートしていきたいこととしては、「自分なりの公共空間」ということです。

コロナもあり、身の回りの環境への視点や、公園や道路(軒先とかテラスとか)などの公共空間への関心の高まりを感じています。どんな風に公共空間で過ごすのか、使いこなすのか、というのか、自分が過ごす街をいかに楽しむか、ということに繋がってくると思います。


そこでリリースしたプロジェクト、「PUBLICWARE」です。

PUBLICWAREというのは、公共空間をもっと気軽に楽しむための、ツールやアイテム、アイデアなどと定義していて、これがあれば公園も自分なりに楽しむことができる!といったものを集め、サイトで紹介しています。

ものによってはそのまま購入やレンタルもできます。toolboxというサイトでは自分の住まいを編集できるツールというコンセプトで人気ですが、いわばそれの公共版です。





さらにPUBLICWAREと時同じくして、共著で書籍を出版しました。

これまでの都市計画は、きっちり入念に計画し何十年もかけてつくりあげてくるものでしたが、流動性の激しいこの世の中、もっと柔軟に、まず作ってみてよかったらGOする、テンポラリー(一時的な)風景の積み重ねによる都市のつくり方があってもいいんじゃないか。そんなことを唱え、そんな事例やアイデアを凝縮した一冊です。ぜひこちらもお手にとっていただけたら嬉しいです!!




と、長々と書いてしまいましたが・・コロナもあり公共空間の価値が見直されたりしていますし、地方で事業を展開したり起爆剤となる一手として公共空間、公共不動産を活用していくことは意味のあることだと思っています。



じつはLDNの管理しているダイロクキッチン、EAST DOCKも公共不動産の活用。

公共だからこそ、行政と一緒になったり、町の方々と一緒になっていい場所にしていこう、いい地域にしていこう、という要因にもなる気がしています。


公共空間や公共不動産をうまく使いこなして、楽しいまちづくりをしていければと思っています〜〜

東伊豆でもいろんなチャレンジをしながらより楽しいまちにしていきましょう〜〜!


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